事件・犯罪


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累犯障害者
価格:¥ 1,470(税込)

【俺達の評価】
5.0点(5点満点)
【俺達はこんな本も買っている】
獄窓記
【俺達のコメント】
01. あまりに気持ちが重く、息苦しささえ感じたので、どんどん読みたいのだけど、出来るだけ休み休み読みました。

気持ちの整理をしながら、心の中で内容をしっかりかみ砕きながら。

まだ読んだばかりで、感想を書く準備が出来ていませんが、最近読んだものの中では特に衝撃を受けた一冊です。

何とかしなければ、
何とかしてあげてほしい、
何か手だてはないのか、

そんな思いが頭の中に渦巻いています。


02. 私は平凡な会社員だが、多少福祉分野に携わったことがあり、この本の中にあるような世間一般から隠されている実態の一部は事前に知っていた(障害者の売春婦、ヤクザなど)。
この本が衝撃を与えたことに異論はないが、このような探索型のノンフィクションは読んだあと「では、どうするか?自分にできることは何か?」を考えるのがとても重要だと思う。
よく周囲に目を凝らしてみると、ヤクザが障害者を喰い者にしているような構図が見つかるかもしれない。本の中の人は一般論としてかわいそうだが、周囲の障害者は何をするかわからないから怖い、というダブルスタンダードが問題を見えにくくしているのだと思う。
山本氏の功績は、刑務所に入って障害者受刑者の実態をリポートしたこともあるが(ケガの功名?)、それよりも、日本には日本人が直視しようとしない問題がいろいろとあって、それを明るみにしたことだろう。
文章表現でやや大げさだったり、違和感を感じるところも若干あるが、それを補って余りある意義ある本だと思う。

03. 一体どれだけの人がこの驚愕の事実を知っているだろうか。
そのへんにいくらでもあるおもしろおかしい刑務所の本とは全く違う。
刑務所は私たちが生きている社会の縮図だ。彼らの中で「言うことを聞かないと刑務所に送られるぞ」「刑務所なんて嫌だ。俺はここにいたい」もちろん刑務所内の会話である。中にはどうやって刑事事件の取り調べや裁判を受けてきたのか首を傾げてしまうような人もいる。
またそれぞれの障害についても詳しく書かれ、刑務所が今抱える問題とともに、社会で他人事と割りきる私たちも関心を持たなければならない。
あらゆる方々に読んでいただきたい作品です。

04.  福祉施設からは触法障害者として受け入れを拒まれ、一方、厚生施設(身元引受人のいない受刑者の出所後の受け入れ先)からは、障害者は絶対に受け入れてもらえない。
 行き着く先もなく、そしてまた犯罪を重ねて、刑務所に戻ってくる……。そんな、なんとも切ない事実を初めて知った。
「出所後は、刑務所での作業賞与金一万五千円で飲むだけ飲んで、後は人に迷惑にならないような方法で死ぬだけ」「障害者は生まれたときから罰を受けているようなもの。だから罰を受ける場所はどこだっていい。また刑務所の中に戻ってきてもいい」「これまで生きてきたなかで、刑務所が一番暮らしやすかった」
 彼等の多くは、無銭飲食や置き引きといった軽微な罪での服役だという。福祉が関わり、身元引受人さえいれば、何も実刑判決を受けるような罪ではないという。
 筆者の、
「福祉は一体何をやっているんだ。そう叫びたくなる。もちろんそれは、私自身に対してもだ」
 という言葉、「私自身に対しても」というところが、この本の説得力を支えていると感じた。筆者自ら罪を犯し受刑し、そこで見た事実が、その後の筆者の人生を大きく変えていった様子も、人間の生涯の機縁を考えさせられる。 
 書かずにはいらなかった、伝えずにはいられなかった……筆者の辛く熱い気持ちが籠もった作品だと思う。


05.  今年の犯罪白書が特集で取り上げたように、最近の犯罪情勢においては、再犯を問題とすることが多いようだ。特に高齢者の犯罪が顕著だという。
 同じように、知的障害を持つ人たちの犯罪(や再犯)も、近年まで等閑視されてきたものであるが、著者の前作「獄窓記」によって脚光を浴びることになったことは周知のとおりである。
 本書は、これまでタブー視されてきた知的障害者や高齢者など社会的弱者とされる人々が行う犯罪を、冷徹な視点で直視しようとするものである。見たくないものを直視することは確かにつらいことだ。だが、著者はあえてそのような作業を引き受け、社会的弱者である人々が犯罪に立ち至る原因を突き止めようとする。そして、そのような人々が犯罪を行わないようにするために何が必要かを、事実をもって語らしめようとする。
 これまで、裁判所や刑務所などのいう「社会復帰論」が机上の空論でしかなかったことを関係機関は重く受け止めるべきだろうし、私たちも私たちのもつ「犯罪者」のイメージを改めるときが来ているように思われてならない。
 同じような視点で、刑務所での犯罪者の実像を描くものとして、浜井浩一の「刑務所の風景」がある。こちらとあわせて読むことで、理解はより深まると思う。

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