軍事


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新訂 孫子 (岩波文庫)
(金谷 治)
価格:¥ 588(税込)

【俺達の評価】
4.5点(5点満点)
【俺達はこんな本も買っている】
論語 (岩波文庫)
【俺達のコメント】
01. 言わずと知れた『孫子』。
兵法の本だが、軍事のみならずビジネスや人生訓としても読める本である。

ちまたで聞くフレーズも案外この本が出典だったりする。
「敵を知り己を知らば百戦危うからず」や「風林火山」は有名だろう。
ただ、両方とも表現は少し違う。
特に風林火山は、実は「風林火陰山雷」だというのは面白い。
(知り難きこと陰の如く、と、動くこと雷の震うが如く)

私が一番気になったのは、
「包囲した敵軍には必ず逃げ口をあけておき、進退きわまった敵をあまり追いつめてはいけない」(p103)
だ。
これは普段の生活でも重要な気がした。

02. 『孫子』は古今東西あらゆる人が述べているように最高の兵書である。

戦争はやらなければそれに越したことはないが、なぜやらないほうがいいのか、ということについて最も現実的に回答し、やらねばならないならどういう手段を用いるべきかについて述べている。

しかし孫子がかかれてから既に3000年経つというのに、戦争を鼓舞するものが相変わらずおり、愛国心やら信仰心やら民族主義やらに訴えかけ、同じ過ちを延々と繰り返している。
『戦争に拙速はあっても、恒久はない』『彼を知り、己を知らば百戦危うからず』『上計は心をうち、下計は城を攻める』…。
挙げていったらきりがないが、第二次世界大戦で日本が負けた理由も、イラク戦争で泥沼化しているアメリカの状況もすべてはここに答えがある。

この本には余計な解説書は必要ない。ただ虚心に向かい合うのみである。

03. 日本人の思想を形作った一つ、古代支那国家から学ぶべきことは多い(現在の中華人民共和国とは別、かつて同地域に存在した異民族・異文化も含む歴代国家で歴史的には断絶があります。「中国4000年の歴史」なんていうのは国威発揚のための、彼らの本気の冗談)。春秋左氏伝も良書。孔孟(修己治人の儒教)と老荘(自然思想)、中でも金谷氏の論語、老子は社会人の処世術的にも参考になり入門書としても読み易い。評論家渡部氏は自書国民の教育で論語などでなく「孫子」と「春秋」をすすめていました。

04. 中国古典を代表する名著。あるいは、世界最古(?)の成功哲学と言えるかもしれない。この本を読んで、まず思ったのは、《今も昔も、人生は悪戦苦闘の連続だ。》ということです。今の時代には、今の苦労があるし、昔の時代には、昔の苦労があります。この本を読んでも、孫子の苦労のほどが伝わってきます。正直言って、《正攻法》とは反対の、《反則》の塊まりのような本ですが、だからこそ参考になります。良くも悪くも、大人の本です。

05. 前に書いた洋泉社『みるみる身につく孫子の兵法』のレビューにも紹介しましたが、改めてレビューさせてもらいます。
アジアの兵法の奥義とも言える『孫子』が、安く、コンパクトな形で手に入り、かなり便利です。兵法家を自称するには、必読の本でしょう。
話は変わるのですが、『孫ぴん兵法』も文庫化されたら、さらによいのにと思います。

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