外交・国際関係


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日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く
価格:¥ 1,680(税込)

【俺達の評価】
4.5点(5点満点)
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自壊する帝国
【俺達のコメント】
01. 大川周明の墓って確か東京都目黒区にある目黒不動尊側の林試の森公園に隣接した場所にあるんだよね。因みに北一輝の墓も同じ場所にあるはず。

02. 大川博士の再評価の試みは、高く評価できる。戦前の軍人や国家主義者には、安易に右翼や狂人といったラベルがはられてきた。しかしながら、こうした単純な見方に反し、彼らの視野ははるかに広く、その思考は論理的である。本書は、とくに大川博士を再評価することで、歴史に学ぶとともに、戦前におけるわが国の知的水準を再評価する試みである。

もっとも、本書には注意すべき点が少なからず含まれている。まず、博士も筆者も主に逸話的な事例により論を進めているが、このような手法は厳密には「実証的」とはいえず傍証に近いという点・・・筆者らの枠組に合う話のみが取り上げられている恐れがある。その結果、米・英の悪意がかなり恣意的に誇張されている感は拭えない。

さらに重要な注意点は、筆者による検討部分は、新自由主義をはじめとする経済原理を、著しく過小評価している点。筆者のその他の著作や国家の品格論にも見られる傾向だが、国の枠組を超えた経済原理に著しく無頓着で無理解。こうした原理はわが国民のみならず人類の多くの生活水準を向上させ、また魅了してきたのも事実。米・英の躍進はこのユニバーサルな原理を体現できた結果であるとも考えられ、米・英の国家の作為の産物とは必ずしもいえまい。残念ながら、本書からはこうした原理に対するオルターナティブとなる思考は感じとれない。戦前のわが国が、なぜ世界の多くの人々からの支持を必ずしも得られなかったのか?国家戦略をはじめとする国家の作為(ビジブル・ハンド)の巧拙の問題だけではあるまい。

最後に、国家から発想する筆者の視点は、ある種ヘーゲル的で前世紀的。今日でも国家や国体が人間存在の根拠といえるのか?今や生国にとらわれず生きることだって可能なのだ。安易なナショナリズムへの便乗はありうる。だが、かつてのように国民に死すら強要しかねない国家や国体に、今日どれほど多くの人が自らを賭す用意があるだろうか?

03. 様々な本や活字を日々読み続けている中でも、この書物のように、
自分自身への重い衝撃・感動を与えてくれるものは稀有であり、
出会ってよかったと、率直に思いました。

ステレオタイプに「右」「軍国主義」「国粋主義」は悪、等という
浅薄千万な●教組の偏向教育に毒され続けた筆者を含めた現代日本人にとり、
この深遠かつ広大、余りにも理知的で論理的な大川の言説・思想は
鮮烈な印象を与え、世界観・歴史認識に対しても大いなる影響を与える
ことになるのではないでしょうか。少なくとも筆者はそう感じました。
生きている中で、出会えてよかった、と思いました。
(誤解しないでいただきたいのですが、筆者は決して軍国論者でも
 太平洋戦争肯定派でもありません。あくまでも無駄な死を誘う戦争には
 徹底して反対です)

ただ、北一輝や大川周明の名前を見ただけでアレルギー反応を示したり、
「ラスプーチン」佐藤優に対する先入観・偏見をもってしか読めない方に
とっては、何の意味も価値もない書物だと思いますので、あくまでも
徹底した「客観主義」「論理主義」で接していただきたいと思います。

大川氏の「米英東亜侵略史」を初めて読みましたが、その余りにも客観的で
論理的な歴史認識に驚きましたし、世界・民族のあり方を、ここまで深く
広く論じられる彼の偉大な知性に、正に「知の巨人」を見た思いです。
佐藤氏も、現世では異色・出色の知性・才能の持ち主ですが、その能力を
この書でも存分に発揮されているのではないでしょうか。

「米英東亜侵略史」に記されている世界観が、実は現代にも繰り返されて
いること、そして、結局今の我々は、今も尚手をこまねいているだけの
状態であることが、佐藤氏の課題認識として示されており、危機感を感じざるを
得ませんでした。今後の日本という国の舵取りをされる方々の何名でもに、
この警句・思想に触れておいてもらいたい、そう感じざるを得ません。

04. 東京裁判で東条英機の禿頭と叩いたというエピソードだけが
歴史的に一人歩きしてしまっている大川周明。
本書はその大川の著作と、著作の分析並びに現代日本への
著者の提言をセットにし現代に蘇らせたもの。

著者の他の本とは違い、相当程度近現代史をかじっていないと
内容を理解するのに苦労するだろう。
センセーショナルな事件・思想が書かれているわけではなく、
軽く手に取れる本ではないが、良質のゼミの教科書のようで
真に「歴史から学ぶ」という知的好奇心並びに
知的刺激は大いに受けることができよう。

蛇足ではあるが、東京裁判時のパジャマ姿とは違い、
大川周明の姿勢を正したカバー写真とデザインはすばらしい。

05. A級戦犯の定義を知らなかったバカオヤジには色々と勉強になる本である。(A,B,Cは罪の重さだと思っていた。。。。)
東条の頭を叩いたのが、この大川周明だというのもおそらく授業等で習ってはいただろうが、まったく忘却の彼方であった。そしていかに大川と言う人が理論的思想人であるかも分かった。
佐藤さんの外交に対する想いを今後の日米関係をどのようにしていかねばならないか?
性善説にたった日本の外交では、性悪説に立つ欧米外交にはかなわないと指摘する。

国民は軍閥に騙されて戦争に突入したという認識は、戦後、アメリカの情報操作工作によって作られた神話で、1941年当時、日本は対米戦争に踏み込まざるを得なかった大義名分があり、日本政府は説明責任を果たしていたことを明らかにする。 p6

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